鹿児島発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
鹿児島市内から南へ1時間ほど車を走らせると、南国気分は一気に上昇。 次々とあらわれる絶景に心が浮き立ち、開運スポットに立ち寄って未来の幸福を祈る。 締めくくりは名物砂むし温泉で極楽気分。 文/前田真理
日本最南端の新幹線停車駅であり、鹿児島市に位置する。 徒歩10分圏内に各社レンタカー営業所がある。 営業所で手続をして借り出し、返却は同じ営業所または別の営業所で行う。 軽自動車からワゴン、エコカーまであらゆる車種が揃う。
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指宿スカイライン頴娃ICからは、茶の畑を抜け、やがて車は静かな漁村に出る。 入り江の一角、岩礁の上に赤い社殿を構えるのは、射盾兵主(いたてつわものぬし)神社。 通称「釜蓋神社」と呼ばれるここは、なでしこジャパンが必勝祈願に訪れ、その願いが叶ったことで一躍脚光を浴びたパワースポットだ。 鳥居をくぐったところに釜の蓋が積み重なっていて、その蓋をかぶって祈願すると願い事が叶うという。
さっそく釜蓋かぶりに挑戦! 釜蓋を頭に載せ、鳥居から賽銭箱まで蓋をさわらずに運ぶ。 大人も子供も、参拝客のほとんどがかぶっているのだから奇妙な光景だ。 カップル用に2人で運ぶ特大釜蓋もある。
釜蓋神社で、さらに縁起担ぎをしたい人には、こちらもおすすめ。 粘土製の小さな釜蓋を岩場に置いてある釜の中に投げ入れ、吉凶を占う。 恋愛の行方を占うなら、縁結びのおみくじを!
薩摩藩の番所が置かれていたことから、その名は番所鼻(ばんどころばな)。 海の向こうには、「薩摩富士」と呼ばれる穏やかで流麗な姿の開聞岳がそびえる。 海には溶岩流でできた湾曲の美しい岩礁があり、水の中には小さな魚影もちらほら、磯釣りや磯遊びを楽しむ人も多い。 公園内には、タツノオトシゴの養殖場を一般公開した「タツノオトシゴハウス」、伊勢海老づくしが名物の宿「いせえび荘」がある。
敷地内の丘の上でみつけた「吉鐘」は、この海に生息するタツノオトシゴをモチーフにした幸せの鐘。 鐘を鳴らす回数で「恋愛成就・夫婦円満」「安産」など祈願できる。
日本中の海岸線を歩いて初の日本地図をつくった伊能忠敬も、番所鼻の眺望を称えた一人で、園内に記念碑が立つ。 諸国の美しい景色を知る彼に「蓋(けだ)し天下の絶景かな」といわしめた眺めは一見の価値あり。
絶景ポイント 大野岳公園
番所鼻公園から車で20分ほど。 茶碗をひっくり返したような小型の成層火山大野岳は、お茶の神様を祀る山。 平成24(2012)年に新たに整備され、標高466mの山頂近くまで車で行くことができる。 駐車場から長寿を祈願する108段の茶寿階段を上ると、開聞岳、池田湖、茶畑、東シナ海など、南薩一帯を望む大パノラマが!
周囲約15km、水深約233mで、九州最大のカルデラ湖。 西側の湖畔は観光化され、花畑越しに開聞岳を望むビュースポット。 「菜の花マラソン」のコースでもあり、大会開催の1月には、菜の花が満開に。 湖畔に建つショッピング&レストラン「池田湖パラダイス」では、池田湖に生息する体長2m・胴回り50cmの大うなぎを飼育していて、見学もできる。
池田湖に謎の巨大生物イッシーがいるとの噂が、全国的に話題となったのは1970年代後半のこと。 周辺にはイッシーの像がおかれておりシュールな撮影スポットとなっている。
池田湖では、バナナボートやウェイクボードなど、水上レジャーが楽しめる。 水面が穏やかで、潮の干満に影響されないため初心者も安心。
鹿児島で、そうめん流しといえば竹筒ではなく、円形容器の中で「回すそうめん」のこと。 指宿市が運営するこの店が、回転式そうめん流しの元祖。 敷地内には1日10万tの清水が湧き出る池があり、その水を卓上の容器に引き入れて水流を起こす。 平成20(2008)年に環境省の名水百選に選ばれた水は、年平均13度。 夏期はもちろん、冬期もあたたかい部屋の中で冷たい流しそうめんが楽しめる。
回転式流しそうめん器は、当時の開聞町助役、井上廣則氏が発明し、昭和42(1967)年に意匠登録されたもの。 その特許を町に譲渡したことから、そうめん流しが、この地域の名物になった。 店内には一般的な6、7人用の円卓のほかに、2人用円卓、左利き用の逆回転式円卓もある。
池の中にはふつふつと水が湧き出るさまを見ることができ、澄んだ水にはチョウザメが泳ぐ。 これは古くから飲料水や農業用水として使うために大切に守られてきた水で、一角に川上神社と名付けられた祠がある。
36.5haの敷地に、オーストラリアや南アフリカなど、世界各地の亜熱帯植物を植栽した植物公園。 開聞岳を背景にした花広場や錦江湾を一望できる展望回廊、天然の松林など、地形を生かして造園。 離島を含む鹿児島の植物分布を再現しているエリアもある。 それぞれ景色に溶け込むようなガーデニングがほどこされ、写真を撮ることを目的に訪れる人も多い。 写真はエーゲ海を思わせる展望回廊。
温室ではショクダイオオコンニャクやヒスイカズラ、蝶の館ではオオゴマダラなど、めずらしい植物や蝶を見ることができる。 夏は灯篭が灯り、冬はイルミネーションが輝いて、ロマンチックな夜を演出。
広い園内は、徒歩はもちろん、無料周遊バス(高齢者、身障者優先)や有料レンタルカートを利用するのもOK! おみやげには、地元食材を生かした人気のマンゴープリンやそら豆サブレ、篤姫焼酎はいかが?
指宿市街地に入ると、浴衣姿の人が見られ、温泉街へやってきたことを教えてくれる。 その中程に位置するのが、砂むし温泉の「砂楽」。 ここでは、世界でもめずらしい地熱による砂のサウナが体験できる。 カウンターで浴衣とタオルを受け取り、浴衣着で砂浜へ。 横になると、おばちゃんたちが長年の勘を頼りに砂をかけ、温度を調整してくれる。 波音を聞きながらおよそ10分間、じんわりと玉の汗が噴き出してくる。
わずか10分でも、砂むし温泉の発汗効果は絶大! 砂から出ても、ドクンドクンと血流が流れる感覚がわかるほど新陳代謝がアップ、美肌効果も期待できそうだ。 砂むし後はシャワーで砂を落として大浴場へ!
湯上りには地元のびわジュースや温泉サイダーをぐいっといかが? 海に面したボードウォークで潮風を感じながらの散歩を楽しむのもいい。 砂むし温泉が体験できなくても、隣接地にできた「砂むしの里足湯・手湯」で気軽に温まることもできる。
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湯けむりが立ち上る温泉街からスタートし、足湯に浸かりながら絶景を眺める。 温泉の蒸気を利用した蒸し釜料理を堪能した後は、クルーズ船に乗り定住する野生のイルカを鑑賞。 最後は谷水棚田や鮎帰りの滝から自然のパワーをもらう。
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