鹿児島発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
青く穏やかな錦江湾に浮かび、毎日のように噴煙を上げる桜島は、日本ジオパークに認定された島。 その美しさとパワーにふれるドライブルートを行く。 対岸から、そして裾野から見上げる山にはまったく別の表情が見られ、地球の鼓動を肌で感じることができる。 文/前田真理
日本最南端の新幹線停車駅であり、鹿児島市に位置する。 徒歩10分圏内に各社レンタカー営業所がある。 営業所で手続をして借り出し、返却は同じ営業所または別の営業所で行う。 軽自動車からワゴン、エコカーまであらゆる車種が揃う。
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錦江湾を目の前に桜島を望む水族館。 鹿児島近海と南西諸島一帯の生き物を中心に、およそ500種3万点の生物を展示。 世界一大きい魚のジンベエザメがゆったりと泳ぐさまや、火山とともにある海ならではの珍しい生き物を、大小さまざまな水槽で見ることができる。 毎日先着15名限定のガイドツアーや体験型プログラムも充実し、子どもから大人まで楽しむことができる。
「できるだけ鹿児島の海のそのままの風景を再現したい」との思いから、水族館スタッフが頻繁に海に潜って日々、海中の観察や研究を進めている。 目の前の海底に広がる神秘的で美しい世界を感じることができる。
平成25(2013)年4月から、水族館から錦江湾につながる屋外のイルカ水路でイルカのジャンプが見られるようになった。 トレーナーが食事や訓練の様子などを解説付きで案内してくれる。1日3回、無料。
鹿児島市街地から桜島まではフェリーで移動。 はじめて訪れた人が「ここは湖?」と見間違うほどに穏やかな海を船は進む。 地元の人にとって生活の足でもあるこのフェリーは、錦江湾を横断するわずか3.4km、約15分の船旅ながら、迫りくる桜島、離れゆく鹿児島市街地を眺めながら、海上を進むたびに旅の気分はぐ~んと盛り上がる。 日中は最短15分間隔、深夜は30分間隔で、24時間運航している。
海からの景色も楽しみ。 錦江湾をもっと堪能するなら「よりみちクルーズ船」を。 毎日11時10分発、約50分間の乗船で「鹿児島港→神瀬→大正溶岩原沖→桜島港」のルートを、観光案内を聞きながらめぐる。 運賃は大人500円(車両運賃別)。
桜島フェリー名物といえば、うどん。人気の大衆食堂だった「やぶ金」が、昭和56(1981)年から変わらぬ味を提供。 すっきりとしたダシには7種類の魚の削り節をブレンド。 短い時間でも「食べたい!」との客の要望に応えるべく、麺は柔らかめでスタンバイ。
桜島の大正大噴火から平成26(2014)年1月12日で100年を迎えた。 フェリーを降りたら、まずビジターセンターに立ち寄ってみよう。 ここは「知る+体感」をコンセプトにしたミニ火山博物館。 桜島見物の予習をすれば、旅の楽しみが倍増!
唐辛子入りで甘くスパイシーな桜島マグマソーダや椿油など、話題のみやげものが買えるほか、ここではユニークな体験プログラムの紹介、斡旋も行っている。 体験予約は『みんなの桜島』のサイトにて。
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桜島ビジターセンターの目の前にある「桜島溶岩なぎさ公園」には、無料で利用できる全長100mの足湯がある。 桜島や錦江湾をはさんで鹿児島市街地を眺めながら、ゆったり気分。 ドライブの途中に一息入れるのにおすすめ。
農産品加工グループ「さくらじま旬彩館」が運営するレストランは、地元のお母さんたちが味噌やドレッシングまで手作りしたやさしい味が好評だ。 地元のカンパチの刺身が付く「極上カンパチ刺身定食」が人気。ミニカンパチ丼、小みかんうどんがセットの「桜島満足セット」はこの店でしか味わえない逸品。
桜島の形をイメージした外観で、内観に木材をふんだんに使った販売所には、桜島大根の漬物や桜島小みかんを使ったグラッセ、ドレッシングなどのみやげものがいろいろ。 地元の野菜や水産物、雑貨類も品ぞろえ。
「世界一小さいみかん」としてギネスブックに登録されている桜島小みかんのジュースをたっぷり使った桜島小みかんソフトクリーム。 みかんの爽やかな香りが口の中に広がる。 GWには連日1,000本が売れるほど人気がある。
絶景ポイント 湯之平展望所
桜洲小学校を右折、山道を一気に駆け上がると、そこは現在桜島でもっとも高くまで登れる場所。 目の前に迫る北岳は5,000年前に活動を休止して侵食が進み、荒々しい表情だ。 眼下に広がる鹿児島市街地や霧島連山、開聞岳まで見渡す360度のパノラマは息をのむよう。 夕日や夜景も美しい。
大正3(1914)年の大噴火で流れ出した溶岩の上に位置する展望所。 溶岩原には遊歩道がつくられていて、噴火による地形や植生の変化が見てとれる。 大正噴火から100年経った現在は、溶岩の間からたくさんの松が枝を広げる陽樹林の時代。 長いスパンの地球の成長が感じられるようだ。 桜島を見上げると今日もドカンと噴火が。 観光客から口々に「スゴイ!」の声が上がり、真っ青な空に、あっという間に灰色の雲が広がった。
展望所を降りて海際を眺めると、そこもやはり溶岩の岸壁。 大噴火で流れ出た溶岩が海へと流れ出たことが想像できるだろう。 砂浜もいわゆる白砂ではない。 黒っぽい砂が広がっているのも、火山地帯ならでは。
有村溶岩展望所から2kmほど戻った古里町には、逆境の作家、林芙美子の文学碑がある。 古里町は母親の出身地で、大正大噴火の年の一年間は鹿児島市で暮らした。 像が右手に持つ傘は、雨、日、火山灰、何を避けようとしていたのだろう。
いよいよディープな降灰の世界へ。 桜島の裏側にまわり込むと、開放的な表側とは趣を変えた景色があらわれる。 目印は黒神中学校。 現在も降灰が続く桜島だが、大正3年(1914)の大噴火がいかに凄まじかったのかを感じることができるのがこの鳥居だ。 3mほどあった鳥居は上部1mほどを残してすっぽり火山灰に覆われている。
鳥居の横には、「黒神げんき塾」と看板が掲げられた小屋が。 隣の黒神中学校の生徒らの手作り資料館で、中には大爆発当時の様子など桜島に関する情報を掲示。 地元の歴史を一生懸命学ぶ子どもたちの姿が目に浮かんで微笑ましい。
鳥居の奥には小さな本殿が。 舗装されていない参道は、日々降り積もる火山灰で覆われていて、降灰をリアルに感じられる。 しかし、そんな厳しい環境の中でも大きなガジュマルの木が根を張っていて、住む人だけでなく、植物の逞しさも感じさせてくれる。
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南阿蘇の豊かな水源巡りからスタートし、阿蘇パノラマラインと阿蘇ミルクロード、2つの道を進みながら、「阿蘇くじゅう国立公園 阿蘇ジオパーク」の観光スポットをくまなく訪れる。 心尽くしが行き届いた宿「湯の宿 入船」で阿蘇の食と大地の温度を堪能してリフレッシュしたのちは、「天空のヨガ」「雲海」「阿蘇の朝日」で阿蘇の早朝を満喫する。
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